本書は、富裕層を対象にしたプライベートバンクサービスの概要から説明し、その中で古くから日本で活動してきたシティバンクグループのプライベートバンキングサービスについて述べ、その中で可能な運用手段とその基本的な考え方について網羅的に解説した本です。わかりやすく、また情報量としてはかなり充実した本です。 では、この本はお勧めなのか。そこではたと考えます。プライベートバンクサービスに縁のない私のような貧乏人には多分あんまり実用性のない知識が主です。では富裕層にお勧めか。でも、現役でバリバリ稼いでいる富裕層の人は、本格的な資産運用を考える暇はなさそうです。リタイアした富裕層の人には、ちょっと本書はシティバンクに偏っていて、決してお勧めできません。誰が読んで役に立つのだろう? 私思うに、本書は、シティバンクのサービス以外の内容、なかんずく資産運用のあり方についてはあまりにも網羅的で突込みが甘く、うかつな読者はなんとなく全部をわかったつもりになって裸で資産運用のリスクたっぷりの世界に招待される懸念があります。「こんな世界があるのだな」ということを知るには十分な本ですが、本書を読んだからと言って資産形成・運用の役に立つとは考えられません。私なら、真に資産形成・運用を考えたい富裕層の方は、本書とあわせて安間伸氏の著作を読まれることをお勧めします。
まずこの本のタイトルの「プライベートバンク」というのは正確ではないのでは、と思います。シティグループの銀行は「プライベートバンキングサービス」というものを富裕層を対象にサービス提供していますが、これは本来の意味でのプライベートバンクとは違うはずです。要は「ワンランク上のサービスを提供」しているだけで、スイスにあるようなプライベートバンクのような多彩なサービス(例えば財産運用会社まで設立してくれてしまうような)はないのではないでしょうか。それはともかく、シティバンクのプライベートバンキングも、ちょっと余裕があるそうなら考えて見たいオプションであることは間違いがありません。ところがどうも、情報があまり見当たりません。元々お金があって、やる気を見せる�!��でないと、情報をくれないのかもしれませんが。この本は、そうした情報ギャップを埋めてくれるものではないかと思います。